レンタカー事業で活用できる補助金は?【2026年度版】
レンタカー事業を始める際に補助金が活用できます!本コラムでは、レンタカー事業に使える国と自治体の補助金をご紹介します。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
レンタカー事業は、国の補助金と自治体の補助金の両方を活用できる可能性がある
国の補助金では車両購入費は対象外ですが、自治体の補助金なら対象になる場合も
国の補助金では、予約システムや決済システムなどの導入費用が補助対象になる
レンタカー事業に補助金が使える!
レンタカー事業にかかる費用に、国や自治体の補助金が使えます。
モデル | 特徴 | 主な利用者 |
|---|---|---|
観光型 | 観光客向けの短期レンタル。空港・駅周辺で需要が高い | 旅行者、インバウンド客 |
法人代車型 | 整備工場や法人向け。修理中の代車や短期の社用車として利用 | 地元企業、保険対応顧客 |
地域需要型 | 交通手段が限られる地域での移動をサポートする用途 | 高齢者、地域住民 |
小規模開業の場合は、まずは1〜数台から始めて地域需要に合わせたモデルを選び、徐々に拡大するケースが多く見られます。
補助金を使ってレンタカー事業を始めるメリット
補助金を活用すれば、レンタカー事業の開業コストを大幅に抑えられます。特に小規模事業者にとっては、自己資金の負担を減らし、リスクを抑えながら事業を立ち上げられるのが大きなメリットです。
補助金を使えば、ホームページ制作や予約システム導入などにかかる費用の一部を国や自治体から補助してもらえるため、開業時の資金繰りが安定します。
レンタカー事業は車両費に加えて広告・販促、システム導入などの投資が大きくなりがちですが、補助金活用により事業が軌道に乗るまでの負担を軽減できます。
対象になりやすい経費の一例は以下のとおりです。
ホームページや予約システムの導入(IT導入補助金)
チラシや看板、広告の作成(小規模事業者持続化補助金)
大規模な設備・システム投資(中小企業成長加速化補助金、投資額1億円以上が要件)
補助金は開業の強い味方になりますが、対象外の経費や採択リスクも存在します。制度の仕組みを理解して準備を進めることが重要です。
レンタカー事業で対象になりにくい費用
国の補助金では、レンタカー事業の車両購入費や維持費には使えません。これは補助金の趣旨が「販路拡大や生産性向上への投資支援」であり、車両は資産形成や日常経費にあたるためです。
対象外になりやすい経費の一例は以下のとおりです。
車両購入費(新車・中古車ともに対象外)
車検費用・自動車保険料
ガソリン代や駐車場代などのランニングコスト
補助金は申請すれば必ず受けられるわけではなく、審査によって採択が決まります。
小規模事業者持続化補助金は40〜60%程度の採択率で推移しており、デジタル化・AI導入補助金も毎年変動します。
中小企業成長加速化補助金はさらに厳しく、投資額1億円以上に加えて「100億円成長宣言」や賃上げ要件など高いハードルがあります。準備すべきポイントは以下のとおりです。
事業の目的や収益計画を明確にする
商工会議所や専門家の支援を受けて申請書を作成する
公募スケジュールを確認し、早めに準備を始める
レンタカー事業の小規模開業には「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金」が現実的です。一方、成長加速化補助金は中堅企業以上を対象とした大規模投資向けであるため、自社規模に応じた制度選びが重要になります。
レンタカー事業に活用できる国の補助金
レンタカー事業に使える国の補助金として、以下3つがあります。
小規模事業者持続化補助金
新事業進出補助金
デジタル化・AI導入補助金
小規模事業者持続化補助金(開業・販路拡大向け)
小規模事業者持続化補助金は、レンタカー事業の立ち上げや販路拡大を目指す小規模事業者にとって有効な支援制度です。
車両購入費は対象外ですが、ホームページ制作や予約システム導入、販促活動など「集客や販路拡大に直結する取組」が補助対象となります。
補助率は2/3、上限は通常50万円で、条件を満たせば最大250万円まで拡充されます。
この補助金は、商工会・商工会議所の支援を受ける必要があります。
主な補助対象経費
区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
広報費 | 商品・サービスの広告・宣伝 | チラシ、看板、広告出稿 |
ウェブサイト関連費 | ECサイトや予約システムの構築 | レンタカー予約サイト制作 |
委託・外注費 | 専門的な業務を外部に依頼する費用 | デザイン外注、システム開発 |
※車両購入や単なる更新費用は対象外。
活用事例
課題:
地方の観光地でレンタカー事業を始めたが、既存顧客は地元住民が中心で、観光客からの予約がほとんど入らなかった。
集客用の広告や予約システムが整っておらず、認知度不足と予約管理の手間が課題だった。
補助金活用によって行った施策:
小規模事業者持続化補助金を活用し、多言語対応のホームページとオンライン予約システムを新規に導入。
あわせて観光雑誌やGoogle広告に露出を行い、観光客への認知度を高めた。
効果:
インターネット経由での予約が全体の7割を占めるようになり、繁忙期には稼働率が大幅に改善。
予約管理の効率化でスタッフの業務負担も軽減し、顧客満足度の向上につながった。
新事業進出補助金(新市場への挑戦支援)
新事業進出補助金は、既存事業に加えて成長性のある新市場へ挑戦する中小企業を支援する制度です。
レンタカー事業のように新しいサービス分野に参入する場合、必要なシステム導入や事業計画策定の経費を補助対象として活用できます。
上限は1,000万円規模と比較的大きく、設備投資や新サービス立ち上げを伴う事業に適しています。
新事業進出補助金は、中小企業が新たな市場に進出する際の取組を支援する国の補助金です。
補助率は1/2~2/3程度、補助上限額は最大1,000万円規模となっており、比較的大きな投資を伴う事業展開に適用できます。
主な補助対象経費
区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
システム導入費 | 業務効率化や予約管理のための導入費用 | レンタカー予約システム、顧客管理システム |
外注・委託費 | 専門家への業務委託費用 | 事業計画策定コンサル、マーケティング調査 |
設備・機器導入費 | 新規事業に必要な設備の導入費用 | 店舗改装、事業用什器 |
※自動車本体の購入は対象外となる場合が多い点に注意。
活用事例
課題:
既存の整備工場は安定した顧客基盤を持っていたが、整備需要の先細りが懸念されていた。
地域の観光需要を取り込む新たな収益源としてレンタカー事業に挑戦したいと考えていた。
補助金活用によって行った施策:
新事業進出補助金を活用し、レンタカー事業の立ち上げに必要な予約管理システムを導入。
さらに、外部専門家と連携して事業計画を策定し、集客戦略を立てた。
効果:
観光シーズンにおけるレンタカー稼働率が高まり、整備工場の既存顧客以外の新規顧客を獲得。売上の新たな柱ができ、事業の安定化につながった。
デジタル化・AI導入補助金(予約システム・業務効率化)
デジタル化・AI導入補助金は、レンタカー事業者が予約や決済をオンライン化したい場合に有効な制度です。
補助率は通常枠で最大2/3、小規模事業者がインボイス枠を利用する場合は最大4/5まで拡充されます。これにより、システム導入コストを大きく抑えることができます。
補助額は5万円〜450万円の範囲で、対象となるのは国に登録された「IT導入支援事業者」が提供するITツールに限られます。スクラッチ開発や未登録のツール、リースや中古品は対象外です。
主な補助対象経費
区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
基幹システム | 予約・決済・在庫を一元管理するシステム | レンタカー予約システム |
顧客管理 | 顧客情報をまとめて管理する仕組み | 顧客データベース、CRM |
業務効率化 | 事務作業を効率化するためのツール | 請求ソフト、会計ソフト |
活用事例
課題:
レンタカー店舗では予約や支払いを電話と対面で対応しており、予約管理はExcelで手作業。繁忙期には二重予約や集計ミスが頻発し、顧客満足度が低下していた。
補助金活用によって行った施策:
デジタル化・AI導入補助金を活用し、クラウド型のレンタカー予約・決済システムを導入。
顧客はスマートフォンから24時間予約可能となり、スタッフはリアルタイムで在庫やスケジュールを把握できるようになった。
効果:
オンライン経由の予約が全体の8割を占めるようになり、電話対応にかかる時間が大幅に削減。
二重予約やミスが減少し、スタッフは接客や車両メンテナンスなど付加価値の高い業務に集中できるようになった。その結果、顧客の利便性が向上し、リピーター率も改善した。
レンタカー事業に活用できる地方自治体の補助金
レンタカー事業では、国の補助金だけでなく地方自治体の補助金も有効に活用できます。
特に観光振興や環境対策を目的とした自治体独自の制度では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)などの導入が支援対象となるケースが多く、事業の差別化や持続可能性の向上につながります。
自治体の補助金では、国の補助金と異なり、車両の購入費自体に補助が行われる場合が多いです。
地方自治体の補助金は、観光や地域交通の利便性向上、環境対策を目的として設けられています。
対象となる経費は、ZEV(ゼロエミッション車)の導入費用や充電設備など。補助率や上限額は自治体によって異なるため、事業を営む地域の公式サイトで確認しましょう。
主な補助対象経費
区分 | 内容 | 例 |
車両導入費 | EV・PHEV・FCVの購入費用 | 観光客向けEVレンタカー導入 |
設備費 | 充電設備や関連機器の設置費 | 急速充電器の設置 |
付帯費用 | 登録・整備関連の一部費用 | 車両改装、ロゴマーキング |
レンタカー事業に活用できる自治体の補助金を3つ紹介します。
東京都:シェアリング・レンタル用車両ZEV化促進事業(わナンバー)
項目 | 内容 |
補助上限額 | 205万円(車種により変動) |
補助率 | 定額(上限額は車種・要件により変動) |
対象事業者 | 個人事業主/法人/自治体 |
対象経費 | 車両購入費・設備購入費 |
神奈川県:「令和7年度神奈川県事業用等EV導入費補助金」
項目 | 内容 |
補助上限額 | 1,500万円 |
補助率 | EVバス:1/3/EVタクシー:1/3/EVトラック:1/4/EV軽トラック:定額/EVレンタカー:1/3 |
対象事業者 | 個人事業主/法人 |
対象経費 | 車両購入費 |
岡山県:「事業者向けEV・FCV車両導入支援事業補助金」(令和7年度)
項目 | 内容 |
補助上限額 | 100万円(定額) |
補助率 | 定額 |
対象事業者 | 個人事業主/法人/自治体 |
対象経費 | 車両購入費 |
よくある質問
Q1. レンタカー事業で車両購入費は補助金対象ですか?
レンタカー事業の車両購入費は、国の補助金では原則として対象外です。
たとえば、小規模事業者持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金では車両購入費は明確に対象外とされており、中小企業成長加速化補助金においても「車両および運搬具の購入費・修理費・車検費用」は対象外と規定されています。
そのため、国の補助金は主に販促費や予約システム導入費といったソフト面に活用することになります。
一方で、自治体独自の補助金では車両購入費が対象となるケースがあります。
代表例が東京都の「シェアリング・レンタル用車両ZEV化促進事業(わナンバー)」で、EVやPHEVなどの環境対応車両の購入費や充電設備費が補助されます。
このように、地域によっては車両購入を直接支援する制度が用意されています。
なお、国と自治体の補助金は原則として同一経費に対して併用できません。例えば、同じ車両購入費に対して国と自治体の両方の補助を受けることはできない仕組みです。
ただし、異なる経費区分に分けて使う(例:国の補助金でシステム導入、自治体の補助金で車両購入)といった活用は可能な場合があります。必ず各制度の公募要領を確認し、併用可否を事前にチェックすることが大切です。
Q2. 小規模事業者持続化補助金でレンタカー開業は可能ですか?
レンタカー開業そのものに必要な車両購入費は補助対象になりません。ただし、開業後に必要となる集客のためのホームページ制作や予約システム導入、チラシや広告などは補助対象です。
したがって「車両は自己資金で準備し、販路拡大や集客に補助金を使う」という形で活用できます。
Q3. 一台からでもレンタカー事業は始められますか?
補助金の公募要領には「台数」に関する規定はありません。
業界の実態としては、一台から開業する事例も存在します。特に観光地や地域需要が限られる場所では、軽自動車やミニバン1台からスタートし、事業拡大に合わせて台数を増やしていくケースが一般的です。
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監修者からのワンポイントアドバイス
レンタカー事業を始める際には事業に必要なソフトウェアや機械装置類などは対象となります。一方、車両購入費用に関しては自治体の補助金で対象になる場合はあるものの国の補助金では対象外となります。どの経費分類項目で申請を行うかは専門家と相談の上、ご検討されることをお薦めさせて頂きます。
