新事業進出補助金の採択率は?今後の予想と採択のコツを解説 | みんなの補助金コンシェルジュ

新事業進出補助金の採択率は?今後の予想と採択のコツを解説

本記事では、新事業進出補助金の第1回公募の採択結果をもとに、最新の採択率データ・業種別の傾向・第2回以降の採択率予想、さらに採択率を高めるための実践的なポイントを分かりやすく解説します。

執筆: 梅沢 博香公開日: 2026-01-07
新事業進出補助金の採択率は?今後の予想と採択のコツを解説
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

ポイント

  • 第1回の採択率は約38%で、3社に1社以上が採択された

  • 業種によって採択率に差があり、製造業は約52%と高水準

  • 第2回以降も採択率は40%前後になる可能性が高いと見込まれる

新事業進出補助金の採択率はどれくらい?

第1回「新事業進出補助金」の採択率は約38%(約37.2%)です。3,006件の応募に対し、1,118件が採択されました。

これは、応募した事業者のおよそ3社に1社が採択された計算になります。他の経済産業省系補助金との比較すると、新事業進出補助金は中〜高難易度の補助金といえます。

補助金

採択率

新事業進出補助金

約38%

事業再構築補助金(現在は廃止、新事業進出補助金の前任)

約43%

小規模事業者持続化補助金

約60%

ものづくり補助金

約49%

デジタル化・AI導入補助金補助金

※インボイス枠インボイス対応累計

約47%

新事業進出補助金の採択率は約38%と、小規模事業者持続化補助金(約60%)より約4割低く、ものづくり補助金(約49%)よりも約2割低い水準です。

つまり、「書類を出せば通る補助金」ではなく、「きちんと準備した事業者が選ばれる補助金」だといえます。

一般的に、補助金は、

  • 制度開始直後は予算に余裕があり、採択率が高めになりやすい

  • 回を重ねるにつれて競争が激化し、採択率が下がる

    という傾向があります。そのため、新事業進出補助金への申請を検討している場合は、早めの申請と、事業計画の作り込みが重要です。

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令和8年度(2026年度)の新事業進出補助金はどうなる?

新事業進出補助金は業種によって採択率が異なる
新事業進出補助金は、業種ごとに採択率に大きな差があります。2025年度・第1回公募結果をもとにした、業種別の採択率目安は以下のとおりです。

業種

採択率

製造業

約52%

卸売業・小売業

約36%

建設業

約37%

宿泊・飲食サービス業

約24%

情報通信業

約32%

学術研究、専門・技術サービス業

約34%

サービス業(他に分類されないもの)

約36%

不動産・物品賃貸業

約26%

成果関連サービス、娯楽業

約33%

その他

約39%

参考:新事業進出補助金第1回公募の採択結果について

特に製造業は全体平均(約38%)を大きく上回る採択率となっています。

この傾向は、新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金でも同様でした。設備投資の内容が明確で、

  • 新分野展開

  • 技術力の活用

  • 生産性向上のストーリー

を具体的に示しやすい点が、製造業の強みと考えられます。

申請者の申請額はどれくらい?

第1回公募では、申請者の申請額は2,000万円以上〜2,500万円未満が最も多い金額帯でした。

新事業進出補助金の採択件数割合.png

出典:事業進出補助金

この金額帯が多い理由として、

  • 事業の実現可能性

  • 投資効果の妥当性

  • 審査での説明のしやすさ

といった点で、バランスが取りやすいことが挙げられます。

必ずしも高額申請が有利になるわけではなく、事業内容と投資規模が釣り合っているかが重視されます。

第2回・第3回の新事業進出補助金の採択率はどれくらい?

第2回・第3回の採択結果は、現時点ではまだ公表されていません。(2026年1月)

ただし、第1回の結果や他の大型補助金の傾向を踏まえると、第2回・第3回も採択率は40%前後になる可能性が高いと予想されます。

一方で、申請件数が増加した場合や、審査基準が厳格化された場合は、採択率が急激に下がる可能性もあります。

実際、事業進出補助金の前任の事業再構築補助金では10回公募までは採択率は約46%で推移していましたが、第11回・第12回では、採択率が20%台まで落ち込み、「4社に1社しか採択されない」状況となりました。

事業再構築補助金採択率.png

事業再構築補助金で採択率が低下した最大の要因は、申請件数の増加に伴い、審査が実質的に厳格化されたことにあります。

補助金の総予算には限りがあるため、申請件数が増えれば増えるほど競争倍率が上がり、結果として事業計画の完成度がより厳しく問われる状況となりました。

具体的には、次のような点で審査のハードルが上がりました。

  • 新事業性の判断基準が明確化・厳格化された:既存事業の延長と受け取られる計画や、新規性が不十分な内容は、不採択となるケースが増加しました。

  • 市場性・成長性の説明がより重視されるようになった:市場規模や売上見込みなどを数値で示せていない計画は、評価されにくくなりました。

  • 実行体制・財務計画の現実性が厳しくチェックされるようになった:投資規模に対して人員体制や資金計画が見合っていない場合、実現可能性が低いと判断されやすくなりました。

  • 公募要領に沿わない計画や形式的な申請の排除が進んだ:テンプレート的な内容や、補助金の目的と合致していない事業計画は、専門的な視点で精査され、不採択となる傾向が強まりました。

このような背景から、「とりあえず申請する」「最低限の内容で出す」計画は通りにくくなり、採択率が大きく低下したのです。

新事業進出補助金は、現時点では第1回公募のみの結果ですが、前身制度である事業再構築補助金と同様に、

  • 申請件数の増加

  • 審査の高度化

  • 事業計画の質への要求水準の引き上げ

が進めば、回を重ねるにつれて採択率が下がる可能性は十分に考えられます。

そのため、申請を検討している場合は、できるだけ早い回で、かつ完成度の高い事業計画を提出することが重要といえるでしょう。

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新事業進出補助金の採択率を上げるコツは?

新事業進出補助金では、新事業進出指針に沿った事業計画になっているかどうかが、採択を左右する重要なポイントです。

中小企業庁が公表している新事業進出指針の手引きをもとに、初心者でも押さえるべきポイントを4つに分けて解説します。

1. 新事業性が制度上「新規」と説明できる計画にする

新事業進出補助金でいう「新規性」とは、世の中での新しさではなく、自社にとって新しい事業かどうかです。

事業計画では、次の3点を必ず明確にします。

  • 製品・サービスの新規性:過去に製造・提供した実績がない製品・サービスであること
    ※単なる製造量の増加や、過去製品の再製造は対象外

  • 市場(顧客層)の新規性:既存事業とは異なる顧客層を対象としていること
    ※商圏を変えただけ、既存顧客向けの別メニュー追加は評価されにくい

  • 公募開始日以降に初めて取り組む事業であること

たとえば、「自動車部品メーカーが、半導体製造装置向け部品の製造に進出する」といったように、製品と市場の両方が変わっている計画は、新事業性を説明しやすくなります。

2. 市場性・成長性を数字で示す

新事業進出補助金では、新事業が一時的な挑戦で終わらず、成長していくかどうかも評価されます。

事業計画には、次のような定量情報を盛り込みましょう。

  • 想定する市場規模や業界動向

  • 売上高・付加価値額の見込み

  • 事業計画期間最終年度の到達点

特に重要なのが、新事業の売上高が、応募申請時の総売上高の10%以上(または総付加価値額の15%以上)になる計画になっているかどうかです。

これは、申請の最低条件であり、割合が高いほど評価が高まる可能性があります。

3. 投資規模と実行体制のバランスを取る

申請額が大きいほど有利になるわけではありません。

審査では、計画が現実的に実行できるかが厳しく見られます。

次の点が噛み合っているかを確認しましょう。

  • 人員体制で無理なく遂行できる内容か

  • 設備投資の目的が事業内容と直結しているか

  • 補助事業終了後も継続できる収支計画になっているか

たとえば、「人員2名の体制で、大規模な生産設備を導入する」といった計画は、実行可能性に疑問を持たれやすくなります。

4. 申請サポート会社を活用するのも一つの方法

新事業進出補助金は、

  • 新事業進出指針の正確な理解

  • 公募要領との整合性

  • 審査項目を踏まえた構成

が求められる、難易度の高い補助金です。初めて申請する場合や、「事業内容は固まっているが、制度に沿った書き方が分からない」という場合には、補助金申請のサポート会社を活用することで、計画の精度が高まるケースもあります。

ただし、最終的な判断材料となるのはあくまで事業計画の中身です。制度の詳細や最新ルールは、必ず公的機関の一次情報で確認しましょう。

参考:中小企業庁 ミラサポplus

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よくある質問

新事業進出補助金について、特に問い合わせの多い内容をまとめました。

Q:新事業進出補助金とはどのような補助金ですか?

新事業進出補助金は、中小企業が既存事業とは異なる新たな分野・市場へ進出する取り組みを支援する補助金です。

設備投資やシステム構築などを通じて、事業の付加価値向上や成長を後押しすることを目的としています。

この補助金では、

  • 自社にとって新しい製品・サービスであること

  • 既存事業とは異なる顧客層・市場を狙っていること

  • 新事業が一定規模の売上につながる計画であること

といった点が審査で重視されます。

制度の考え方や「新事業進出」の定義については、中小企業庁が公開している公式資料で確認できます。

参考:中小企業庁「新事業進出指針の手引き」

Q:新事業進出補助金の第2回・第3回の採択結果はいつ分かりますか?

現時点で公表されている目安は、以下のとおりです。

  • 第2回:令和8年3月下旬頃

  • 第3回:令和8年7月上旬頃

採択結果は、中小企業庁の公式サイトや補助金特設ページで公表されます。

発表時期は前後する可能性があるため、必ず一次情報を確認することが重要です。

Q:新事業進出補助金のスケジュールはどこで確認できますか?

新事業進出補助金の最新スケジュールは、中小企業庁の公式サイトおよびミラサポplusで確認できます。

特にミラサポplusでは、

  • 公募開始・締切

  • 採択結果の公表

  • 公募要領の更新情報

などが随時掲載されるため、定期的なチェックがおすすめです。

参考:中小企業庁 ミラサポplus

Q:新事業進出補助金の公募要領はどこで確認できますか?

公募要領は、中小企業庁の公式サイトまたはミラサポplusで公開されます。

申請を検討する際は、必ず最新の公募要領を確認してください。

特に、

  • 補助対象となる事業内容

  • 補助対象経費

  • 申請要件・注意点

は、公募回ごとに細かな変更が入ることがあります。

参考:中小企業庁 ミラサポplus

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監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

2026年度も新事業進出補助金は、成長投資と賃上げを両立する政策の柱として継続される可能性が高いと考えます。特に賃上げ要件の重要性は一層高まる見込みのため、早期から数値計画を含めた事業設計が採択の鍵になります。公募回ごとに要件が変更となることもあるので都度、確認が必要です。