ものづくり補助金の採択率の推移は?採択のコツも解説!


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
• ものづくり補助金の採択率は、過去の実績を見ると平均で約49%前後で推移している
• 応募者数の急増や、特殊な申請枠のみで公募が行われた回では、採択率が大きく下がる傾向がある
• 採択率を高めるためには、早めの準備と加点要素を意識した申請内容が重要になる
ものづくり補助金の採択率の推移
ものづくり補助金の平均採択率は約49%です。

過去の採択結果を見ると、回次ごとに大きな差があり、上下を繰り返しながら推移しています。
急激に採択率が下がる3つの原因
採択率が大きく下がる回には、いくつか共通する要因があります。過去の採択結果データをもとに、特に影響が大きい3つの要因を整理します。
1.応募者数の増加
過去の採択率推移を見ると、申請数が急増した回では採択率が低下する傾向が確認できます。
ものづくり補助金は、回ごとにあらかじめ予算枠が決まっている制度です。
• 予算は一定
• 申請数が増える
• 採択枠の競争が激しくなる
この状態では、内容に大きな差がない申請が増えやすくなり、結果として、同じレベルの申請でも不採択になる事業者が増えます。
そのため、応募者数の増加は採択率の低下につながります。
2.特別枠のみで公募が行われた回
採択率が大きく下がった代表例が、17次締切(採択率 約29%)です。
この回は、「省力化(オーダーメイド)枠」という特定の申請枠のみで公募が行われました。
• 対象となる事業が限定される
• 求められる内容が専門的になる
• 審査基準が厳しくなる
その結果、通常回と比べて通過が難しい公募となり、採択率が大きく下がったと考えられます。
3.審査の厳格化
審査の厳格化が影響したと考えられる回が、18次締切です。18次締切の採択率は36%まで低下し、応募者の約3分の2が不採択となりました。
このような採択率の低下は、単一の要因だけで起こるものではありません。
• 審査基準の厳格化
• 予算配分の調整
• 加点要素の重要度上昇
といった複数の要因が重なった結果、採択率が下がった可能性があります。
このように、ものづくり補助金の採択率は、単なる数字ではなく、申請環境や制度設計の影響を強く受ける点を理解しておくことが重要です。
ものづくり補助金21次・22次の採択率はどうなる?
21次・22次のものづくり補助金については、現時点では採択結果・採択率ともに公表されていません。(2026年1月22日現在)
21次・22次についても、極端に高い、または極端に低い採択率でないと仮定すると、平均並みの50%前後と予想できます。
2025年度の採択結果を見ると、採択率は回次によってばらつきはあるものの、一定のレンジ内で推移しているからです。
• 平均採択率:約49%前後
• 低い回:30%台
• 比較的高い回:60%前後
各回の公募・採択スケジュールの目安は以下のとおりです。
回次 | 採択発表時期(目安) |
21次 | 2026年1月下旬ごろ |
22次 | 2026年4月下旬ごろ |
これらのスケジュールや公募情報は、中小企業庁が公表する公式資料をもとに確認できます。
ものづくり補助金の採択率を上げるコツは?
ものづくり補助金は、過去の採択率の推移を見ると、準備の進め方や申請内容によって結果に差が出やすい補助金です。
実際に、同じ回次であっても、申請時期や加点の有無によって採択率に大きな違いが見られます。
そこで、過去の採択結果データをもとに、採択率を高めるうえで特に効果が高いと考えられる3つのポイントを紹介します。
1. 早めに準備し、締切1週間前までに提出する
2. できるだけ加点項目を確保する
3. プロの手を借りる
1.早めに準備し、締切1週間前までに提出する
ものづくり補助金では、締切が近づくにつれて申請が集中する傾向があります。
過去の申請状況を見ると、申請数は締切3日前あたりから急増し、締切日当日が最も多くなるのが特徴です。
締切直前に申請が集中すると、次のようなリスクが高まります。
• 電子申請システムが混雑し、動作が重くなる
• 入力や添付に時間がかかり、手続きが進まない
• 最悪の場合、締切時刻までに申請を完了できない
実際に、過去には申請が集中したことで、電子申請システムが不安定になった例も報告されています。締切日は終了時刻が厳密に定められており、1分でも遅れると申請は受け付けられません。
また、締切日当日の申請は、内容の見直しが不十分なまま提出されるケースが多く、結果として採択率が下がる傾向が見られます。
ものづくり補助金の申請には、事業計画書の作成や見積書・添付書類の準備など、相応の時間と労力が必要です。そのため、締切の1週間前までに提出することを目標に、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが重要です。
なお、申請スケジュールや手続き方法は、中小企業庁が公表する公募要領・公式情報で必ず確認するようにしましょう。
2.できるだけ加点項目を確保する
ものづくり補助金の審査では、一定の要件を満たすことで加点が行われ、採択に有利に働きます。
過去の採択結果データを見ると、加点項目の数が多いほど採択率が高くなる傾向が明確に確認できます。
実際のデータでは、
• 加点項目が0個の申請と
• 加点項目が4個の申請を比べると
採択率に約2倍近い差が生じています。
一方で、申請全体を見ると、
• 加点項目が3個以上の申請割合は大きく減少
• 5個すべての加点要件を満たす申請は、全体の1%未満
となっており、多くの加点を満たすことは簡単ではないのが実情です。
そのため、現実的な目標としては、まずは加点項目を2個以上確保することを目指すのが効果的です。2個であっても、採択率を大きく押し上げる効果が期待できます。
なお、加点項目で特に注意したいのが、申請日時点で要件を満たしている必要がある点です。
たとえば、成長性加点で求められる「経営革新計画」は、行政庁に提出しただけでは加点対象になりません。申請時点で承認を受けていることが条件となります。
承認までには一定の期間がかかるため、加点を狙う場合は、補助金の申請直前ではなく、数か月前から準備を進めることが重要です。加点要件の詳細や最新の扱いについては、中小企業庁が公表する公募要領で必ず確認しましょう。
3.プロの手を借りる
ものづくり補助金は、単に制度要件を満たすだけでなく、事業計画書の構成や表現、数値の整合性が採択結果に大きく影響します。
実際には、
• 事業の新規性・優位性が十分に伝わっていない
• 数値計画と文章の内容に一貫性がない
• 加点要素を満たしているのに、申請書上で表現できていない
といった理由で、不採択になるケースも少なくありません。
補助金申請を専門に扱うプロに相談することで、
• 審査の視点を踏まえた事業計画書の整理
• 加点要素の取りこぼし防止
• 不採択につながりやすい表現や構成の回避
といった点を効率よくカバーできます。
とくに、初めてものづくり補助金に申請する場合や、過去に不採択となった経験がある場合は、早い段階で相談することで成功率を高めやすくなります。
申請直前になって慌てるのではなく、準備段階からプロの視点を取り入れることが、結果的に採択率向上につながります。
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監修者からのワンポイントアドバイス
ものづくり補助金は昨年は予算や審査の厳格化などにより採択率は減少傾向にあります。しかしながら今年度に関してはまた元のような採択率になっていく可能性はあります。加点項目をしっかりと計上し、革新性を重視した採択可能性の高い事業計画書を作成していくことにより採択の可能性が高くなってきます。しっかりと準備を進めて行くと良いでしょう。
