農業に新事業進出補助金を活用できる条件を解説 | みんなの補助金コンシェルジュ

農業に新事業進出補助金を活用できる条件を解説

農業に新事業進出補助金を活用できる条件を解説します。申請できる農業者の要件や新規事業として認められる基準、補助対象外となる栽培費・建物、賃上げ要件、具体的な活用例まで分かりやすく紹介します。

農業に新事業進出補助金を活用できる条件を解説
目次

補助金で購入できる人気商品

ランキングを見る

ポイント

  • 農業者や個人事業主、農事組合法人は要件を満たせば新事業進出補助金に申請できる

  • 既存農作物の増産ではなく、新商品・サービスと新市場への進出が必要

  • 栽培費や土地取得費、簡易建物などは補助対象外となるため注意が必要

新事業進出補助金とは?

業新事業進出補助金は、中小企業や農業者が、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業へ進出する際の設備投資などを支援する制度です。

新事業への挑戦を通じて、企業規模の拡大や付加価値、生産性の向上を図り、持続的な賃上げにつなげることを目的としています。

農業分野では、単に生産量を増やすだけでは対象になりません。

新技術の導入や農産物の加工・販売への進出など、新たな商品や市場を開拓する取り組みが対象となります。

【相談無料】農業に新事業進出補助金を活用したい方はこちら!

新事業進出枠の補助率・補助上限額

新事業進出枠の補助率は、原則として補助対象経費の1/2です。

また、一定の要件を満たす場合は、補助率や補助上限額が引き上げられます。

補助上限額は、申請時点の従業員数によって異なります。

従業員数

補助上限額

補助率

20人以下

2,500万円(3,000万円)

原則1/2

21人~50人

4,000万円(5,000万円)

原則1/2

51人~100人

5,500万円(7,000万円)

原則1/2

101人以上

7,000万円(9,000万円)

原則1/2

補助下限額は750万円です。

大幅賃上げ特例

事業計画期間内に、次の両方を達成する計画を策定した場合、補助上限額が表内のカッコ書きの金額まで引き上げられます。

  • 事業場内最低賃金を50円以上引き上げる

  • 給与支給総額を6%以上増加させる

地域別最低賃金引上げ特例

地域別最低賃金に近い水準で働く従業員を一定割合以上雇用しているなど、所定の要件を満たす事業者は、補助率が3分の2に引き上げられる場合があります。

【相談無料】農業に新事業進出補助金を活用したい方はこちら!

農業に新事業進出補助金を活用できる条件は?

農業者が新事業進出補助金を活用するには、申請者の要件を満たしたうえで、既存事業とは異なる新製品・サービスや新市場への進出に取り組む必要があります。

単に農作物の生産量を増やすだけでは対象にならず、加工品の製造や新サービスの提供など、事業の新規性が重視されます。

申請者に関する条件

申請者は、日本国内に本社と補助事業の実施場所を有し、次の条件を満たす必要があります。

中小企業者・個人事業主であること

農業は中小企業の区分上、「その他の業種」に該当します。原則として、資本金3億円以下または常勤従業員数300人以下の事業者が対象です。

個人事業主も申請できます。

農事組合法人は収益事業を行っていること

農事組合法人も、従業員数が300人以下であり、法人税法上の収益事業を行っている場合は対象となります。

常勤従業員を1人以上雇用していること

応募申請時点で、常勤従業員が1人以上必要です。従業員数が0人の事業者は申請できません。

1期分以上の決算書を提出できること

創業直後の事業者は原則として対象外です。少なくとも1期分の決算書を提出できる、設立・開業後1年以上の事業者である必要があります。

【相談無料】農業に新事業進出補助金を活用したい方はこちら!

対象となる事業の条件

補助対象となるには、既存の農業を継続・拡大するだけでなく、新しい製品やサービスを新たな市場に提供する事業であることが求められます。

新しい製品・サービスに取り組むこと

自社で過去に製造・提供した実績がない農産物、加工品、サービスなどに取り組む必要があります。

既存商品の内容を少し変更しただけのものや、単なるメニュー追加では、新規性が認められない可能性があります。

新たな市場や顧客層を対象とすること

既存事業とは異なるニーズや属性を持つ顧客層をターゲットにする必要があります。

単に販売地域を広げるだけの場合や、既存商品の需要が新商品に置き換わるだけの場合は、対象にならない可能性があります。

生産量を増やすだけの事業ではないこと

すでに栽培・販売している農作物の生産量を増やすだけの設備投資は、原則として対象外です。

加工品の製造や体験型サービスの提供など、既存事業とは異なる新たな収益の柱をつくる必要があります。

達成が必要な4つの基本要件

申請時には、3~5年間の事業計画を策定し、付加価値や賃金に関する目標を設定する必要があります。主な要件は次のとおりです。

  • 付加価値額を年平均4.0%以上増加させる

  • 1人あたり給与支給総額を年平均3.5%以上増加させる

  • 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高い水準にする

  • 一般事業主行動計画を策定し、公表する

目標を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められる可能性があります。

新事業進出補助金を農業に活用する際の注意点は?

農業分野では、すべての設備や経費が補助対象になるわけではありません。

栽培に直接かかる経費は対象外

種苗費、肥料代など、農作物の栽培そのものにかかる経費は補助対象外です。

観光農園などの新事業であっても、栽培部分にかかる費用は補助されません。

土地や簡易建物は対象外

土地の購入費や造成費は対象外です。

また、ビニールハウス、コンテナハウス、ドームハウスなどの簡易建物も、原則として補助対象になりません。

設備投資を含める必要がある

新事業進出枠では、次のいずれかの経費を必ず事業計画に含める必要があります。

  • 機械装置・システム構築費

  • 建物費(建設・改修費)

広告費や専門家経費だけで申請することはできません。

交付決定前に発注しない

交付決定前に契約や発注をした設備・工事は、補助対象になりません。

採択された場合でも、交付決定を受ける前に事業を開始しないよう注意が必要です。

農業に新事業進出補助金を活用した事例

新事業進出補助金では、農業者が既存の農産物や生産技術、設備、販売網などを活かし、加工品の製造や新サービスの提供といった高付加価値分野へ進出する取り組みが対象になり得ます。

ここでは、具体的な活用イメージと補助金額の目安を紹介します。

生鮮野菜の販売から健康食品の製造へ進出する事例

これまで生鮮野菜を市場や飲食店へ出荷していた農業法人が、自社で栽培した野菜を活用し、新たに乾燥野菜や野菜パウダー、健康食品を製造・販売するケースです。

新事業の開始にあたり、食品加工施設の改修や乾燥機、粉砕機、包装機などの設備を導入。

販売先も既存の卸売先だけでなく、健康意識の高い一般消費者や食品メーカー、ECサイトの利用者など、新たな顧客層へ広げました。

このように、従来の生鮮野菜とは異なる加工品を開発し、新しい市場へ販売する事業であれば、「製品・サービスの新規性」と「市場の新規性」の両方を満たせる可能性があります。

補助金額のイメージ

従業員20人以下の農業法人が、次の設備投資を行うケースを想定します。

  • 加工施設の改修費:1,500万円

  • 乾燥機や粉砕機などの加工設備費:1,200万円

  • 包装機や品質管理システムの導入費:300万円

補助対象経費の合計が3,000万円で、原則の補助率2分の1が適用された場合、最大1,500万円の補助を受けられる可能性があります。

また、大幅賃上げ特例を活用した場合、従業員20人以下の事業者は補助上限額が3,000万円まで引き上げられます。

ただし、補助率が2分の1の場合、3,000万円の補助を受けるには、原則として6,000万円以上の補助対象経費が必要です。

農業者が本補助金を活用するには、単に農作物の生産量を増やすのではなく、加工品の製造や体験型サービス、飲食事業など、新たな収益源をつくることが重要です。

なお、補助下限額は750万円です。補助率が2分の1の場合、原則として1,500万円以上の補助対象経費を伴う、まとまった設備投資が想定されます。

農業関連の人気コラム

スマート農業導入に使える補助金は?【2026年版】

農業で使える助成金一覧|農業機械の導入や外国人雇用を支援

女性農業者必見!補助金を活用して農業を始める方法

監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

農業者向けの新事業進出補助金は、新商品や新サービスを新市場において展開していくことが求められます。補助金の金額規模も大きいのですが、単純な増産や栽培費・土地代は対象外で、従業員雇用と賃上げ要件が必須です。専門家と連携した計画的準備が不可欠です。

井上 卓也
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。