キッチンカー開業で持続化補助金は使える?対象費用をわかりやすく解説
キッチンカー開業に小規模事業者持続化補助金が活用できます。活用できる条件や注意点をわかりやすくまとめました。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
キッチンカー開業に持続化補助金が活用できる
既存車両の改装費や販促費などは補助対象になる可能性があるが車体購入費は対象外
交付決定前の契約・購入は補助対象外になる
キッチンカー開業に持続化補助金は使える?
キッチンカー開業の目的が「販路開拓」の場合、その費用の一部に持続化補助金が使えます。
キッチンカー本体の購入費用は、新車・中古車を問わず、車両本体の購入費は補助対象外となる点に注意しましょう。
一方で、既存の自動車を移動販売用に改装する場合は、その「改装部分のみ」補助対象として認められる可能性があります。
区分 | 内容 |
補助対象になる費用 | 既存車両の改装費(委託・外注費)、広告宣伝費、ホームページ制作費など |
補助対象外になる費用 | キッチンカー本体の購入費、新車・中古車の取得費など |
そのため、キッチンカー開業で持続化補助金を活用したい場合は、「車を買う費用」ではなく、「販路開拓を目的とした移動販売のための改装や集客費用」として申請内容を整理することが重要です。
キッチンカー開業で補助対象になる費用は?
持続化補助金では、販路開拓につながる費用が補助対象となります。
販路開拓が目的でキッチンカー開業をする場合、
既存車両の改装費用
チラシ・看板・ホームページ制作などの集客費用
などが補助対象になる可能性があります。
ここでは、キッチンカー開業で対象になりやすい代表的な費用を紹介します。
車両の改装費用
既存の自動車をキッチンカー仕様に改装する費用は、補助対象になる可能性があります。
例えば、以下のような工事です。
移動販売用への内装工事
シンクの設置
換気設備の設置
電源設備の設置
販売窓の加工
これらの費用は「委託・外注費」に計上して申請します。
項目 | 内容 |
対象になる費用 | キッチンカー化のための改装工事 |
対象外になる費用 | 車両本体の購入費 |
計上区分 | 委託・外注費 |
キッチンカーの広告宣伝費
キッチンカーの集客に必要な広告宣伝費も、「広報費」として補助対象になる可能性があります。
例えば、以下のような費用です。
チラシの作成・配布
看板制作
メニュー表の制作
DM発送費用
「集客・売上アップ」を目的としていることを事業計画書で明確に示す必要があります。
キッチンカーのウェブサイト関連費
ホームページ制作やECサイト構築などのウェブ関連費用も、補助対象になる可能性があります。
キッチンカーでは、
出店情報の告知
予約受付
SNS連携
テイクアウト注文
などを行うケースが多く、ウェブ活用は販路開拓として認められやすい傾向があります。
ただし、ウェブサイト関連費には制限があります。
項目 | 内容 |
上限 | 交付申請額の4分の1まで |
最大額 | 最大50万円 |
注意点 | ウェブ関連費のみでの申請は不可 |
ホームページ制作費だけの申請はできないため、車両改装費や広告宣伝費など、他の経費と組み合わせて申請しましょう。
持続化補助金の申請の流れ

1.GビズIDプライムアカウントを取得する
持続化補助金の申請には、「GビズIDプライム」アカウントが必須です。
GビズIDとは、補助金の電子申請で使用する共通アカウントのことです。
取得には数週間かかる場合があるため、公募開始前から準備しておくことをおすすめします。
項目 | 内容 |
必要性 | 電子申請に必須 |
取得期間 | 数週間程度かかる場合あり |
注意点 | 早めの取得が必要 |
2.経営計画書・補助事業計画書を作成する
次に、申請に必要な計画書を作成します。
キッチンカー開業の場合は、
どのように販路開拓を行うか
なぜ改装が必要なのか
どのように売上アップにつながるのか
を具体的に記載することが重要です。
特に持続化補助金では、「販路開拓」が重要な審査ポイントとなります。
そのため、
イベント出店
地域販売
SNS集客
テイクアウト需要への対応
など、事業の将来性を分かりやすく示す必要があります。
3.商工会・商工会議所へ相談する
作成した計画書は、地域の商工会・商工会議所へ提出します。
その後、「事業支援計画書(様式4)」の発行を依頼します。
この様式4は申請時に必須となる書類です。
なお、様式4の受付締切は、補助金申請締切より約2週間早く設定されることが一般的です。
そのため、締切直前ではなく、余裕を持って相談することが重要です。
項目 | 内容 |
必須書類 | 事業支援計画書(様式4) |
発行先 | 商工会・商工会議所 |
注意点 | 受付締切が早い |
4.電子申請を行う
必要書類が揃ったら、補助金事務局の電子申請システムから申請を行います。
書類不備があると審査対象外になる場合もあるため、提出前に必ず確認しましょう。
5.採択後に交付決定通知を受け取る
申請後は審査が行われ、採択事業者が発表されます。
ただし、採択された段階では、まだ契約や購入はできません。
事務局から「交付決定通知書」が届いてから、初めて事業を開始できます。
特にキッチンカー開業では、
改装工事の契約
厨房設備の発注
広告宣伝の発注
を先に進めてしまうケースが多いため注意が必要です。
交付決定前に支払った費用は補助対象外となります。
6.補助事業を実施し、実績報告を行う
交付決定後に、計画内容に沿って事業を進めます。
例えば、以下のような取組です。
車両改装
看板制作
チラシ配布
ホームページ制作
事業完了後は、「実績報告書」を提出します。
その際には、
領収書
請求書
写真
振込記録
などの証憑書類が必要になります。
7.補助金を受け取る
実績報告後は、事務局による確認・確定検査が行われます。
問題がなければ補助金額が確定し、その後に補助金が入金されます。
持続化補助金は「後払い」の制度です。
そのため、キッチンカー改装費や広告費は、一度事業者自身で支払う必要があります。
項目 | 内容 |
支払い方式 | 後払い |
必要なもの | 実績報告・証憑書類 |
注意点 | 一時的な自己資金が必要 |
キッチンカー開業に持続化補助金を活用する際の注意点
キッチンカー開業で持続化補助金を活用するにあたり、特に重要な4つの注意点を解説します。
1.「車両購入費」は原則対象外
キッチンカーの車両本体(ベース車)の購入費用は、新車・中古車を問わず原則として補助対象外です。
例えば、以下のような費用は認められません。
キッチンカー新車購入費
中古キッチンカー購入費
軽トラック購入費
軽バン購入費
小規模事業者持続化補助金では、自動車やオートバイなどの車両購入費は、一律で対象外経費として扱われています。
そのため、「キッチンカーを購入する費用」ではなく、「既存車両を営業用に改装する費用」として考えることが重要です。
項目 | 補助対象 |
キッチンカー本体購入費 | 対象外 |
中古車購入費 | 対象外 |
既存車両の改装費 | 対象になる可能性あり |
2.補助金は後払い
小規模事業者持続化補助金は、「後払い」の制度です。
そのため、キッチンカー改装費や広告費は、一度事業者自身で全額支払う必要があります。
補助金は、
事業実施
実績報告
確定検査
補助金額確定
という流れを経て、後から振り込まれます。
つまり、「補助金を使って先に支払う」のではなく、「先に自己資金で支払い、その後に一部が戻る」仕組みです。
そのため、申請前には資金計画も重要になります。
項目 | 内容 |
支払い方式 | 後払い |
必要なもの | 一時的な自己資金 |
入金タイミング | 実績報告・検査後 |
3.補助金は不採択になる場合もある
小規模事業者持続化補助金には審査があります。そのため、申請したすべての事業者が採択されるわけではありません。
小規模事業者持続化補助金の直近の採択率は、48.1%です。
4. 開業届を出していないと申請できない
小規模事業者持続化補助金は、申請時点で既に事業を開始している小規模事業者を対象としています。
そのため、
開業届を提出していない
開業予定日が申請日より後
まだ事業実態がない
といった「創業予定者」は補助対象外です。
キッチンカー開業で申請する場合は、事前に開業届を提出し、実際に事業を開始している必要があります。
よくある質問
Q:個人事業主でも小規模事業者持続化補助金に申請できますか?
A:申請可能です。
持続化補助金は、商工業者である個人事業主も対象となります。
キッチンカー事業では、個人事業主として申請するケースも多くあります。
なお、申請時には地域の商工会・商工会議所の支援を受ける必要があります。商工会・商工会議所の会員でなくても申請は可能です。
Q:中古のキッチンカー購入は補助対象になりますか?
A:中古・新車を問わず、キッチンカー本体の購入費は補助対象外です。
持続化補助金では、自動車の購入費用そのものは認められていません。
ただし、既存の自動車を移動販売用に改装する場合は、その改装費用のみ補助対象になる可能性があります。
例えば、以下のような工事です。
シンク設置
換気設備工事
電源設備工事
調理スペース施工
これらは、「委託・外注費」として申請します。
Q:小規模事業者持続化補助金はいくら受け取れますか?
A:通常枠の補助上限額は50万円です。
また、一定の条件を満たすと、補助上限額が引き上げられる場合があります。
区分 | 補助上限額 |
通常枠 | 50万円 |
インボイス特例 | 最大100万円 |
賃金引上げ特例 | 最大200万円 |
特例併用時 | 最大250万円 |
補助率は、原則として対象経費の3分の2です。
なお、賃金引上げ特例を利用し、かつ赤字事業者に該当する場合は、補助率が4分の3へ引き上げられるケースもあります。
Q:小規模事業者持続化補助金は申請後、いつ入金されますか?
A:補助金は事業完了後に支払われる「後払い」です。
そのため、申請後すぐに入金されるわけではありません。
一般的な流れは以下のとおりです。
申請
採択発表
交付決定
事業実施
実績報告
確定検査
補助金入金
例えば、第19回公募では、2026年7月頃に採択発表が行われ、その後に事業を実施します。
実績報告と確定検査を経て入金されるため、申請から実際の入金までは1年以上かかる可能性があります。
そのため、キッチンカー改装費や広告費については、事前に自己資金を準備しておくことが重要です。
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監修者からのワンポイントアドバイス
キッチンカー開業で持続化補助金を活用したい場合は車両本体の費用は対象外となります。しかし、販路開拓を目的とした移動販売のための改装や集客費用は対象となります。委託外注費として既存車両を改装する場合には対象となりますので該当される方はぜひ、申請を検討されると良いでしょう。
