事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の採択率やスケジュールは?【2026年度版】
本コラムでは、東京都事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の概要、2026年度の公募スケジュールや採択率について分かりやすく解説しています。

目次
- ポイント
- 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)とは?
- 申請できる事業者の条件
- 対象になる取り組み
- 対象外となる取り組み
- 助成額・助成率
- 助成対象となる主な経費
- 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の採択率は?
- 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の公募スケジュールは?
- 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の申請方法は?
- 申請から受給までの流れ
- 申請時の注意点
- 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の必要書類は?
- 全事業者共通で提出する書類
- 法人と個人事業主で異なる書類
- 申請内容に応じて提出する書類
- 書類提出時の注意点
- 事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の他のコース
- 小規模事業者向けアシストコース
- 賃上げ重点コース
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事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)は、東京都の中小企業が設備投資や業務改善に活用できる助成金
一般コースの採択率は公式には公表されていない
2026年度は、過去の実績から年6回程度の公募が行われると予想される
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)とは?
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)は、東京都の中小企業が設備投資や新サービス開発などを通じて経営基盤を強化するための助成金制度です。
東京都中小企業振興公社が実施しており、既存事業の競争力を高める取り組みや、新たな商品・サービスの展開などを支援します。
助成率は対象経費の2/3以内で、最大800万円まで支援されます。
設備投資やシステム導入など、比較的まとまった投資にも活用できるのが特徴です。
申請できる事業者の条件
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)は、東京都内で事業を行う中小企業・小規模企業などが対象です。
そのうえで、次のいずれかの条件に該当する必要があります。
条件 | 内容 |
売上減少 | 直近の決算期の売上高が、2023年以降のいずれかの決算期と比べて減少している |
赤字決算 | 直近の決算期で損失(赤字)を計上している |
売上減少見込み | 米国の関税措置の影響により、次期決算期の売上高が直近決算期より減少する見込み |
例えば、次のようなケースが該当します。
原材料価格の高騰などにより売上や利益が減少した企業
円安や海外政策の影響で取引が減少している企業
赤字決算となり経営改善の投資が必要な企業
この制度は、売上減少や収益悪化などの事業環境の変化に直面している企業の設備投資や新事業展開を支援することを目的としています。
対象になる取り組み
本制度では、既存事業の「深化」または「発展」につながる取り組みが対象です。
すでに営んでいる事業をベースに、競争力や生産性を高めることが求められます。
区分 | 内容 | 具体例 |
既存事業の深化 | 既存事業の質を高める取り組み | 高性能設備の導入、既存サービスの品質向上、省エネ設備導入 |
既存事業の発展 | 既存事業を基に新たな展開を行う取り組み | 新商品・サービスの開発、新しい提供方法の導入 |
例えば、飲食店が高性能厨房機器を導入して調理効率を上げる取り組みや、製造業が新しい製品を開発する取り組みなどが該当します。
対象外となる取り組み
すべての設備投資が対象になるわけではありません。
次のような取り組みは助成対象外とされています。
既存事業との関連性が薄い事業
法令改正への対応など義務的な取り組み
老朽設備の単なる更新など、生産性向上につながらない投資
助成金は経営基盤の強化や競争力の向上につながる事業に限定されている点に注意が必要です。
助成額・助成率
本制度の助成内容は次の通りです。
項目 | 内容 |
助成上限額 | 最大800万円 |
助成率 | 対象経費の3分の2以内 |
対象 | 東京都内の中小企業・個人事業主など |
例えば、設備投資やシステム導入に900万円かかった場合、その2/3にあたる600万円が助成される可能性があります。
助成対象となる主な経費
本制度では、事業の実施に必要なさまざまな費用が対象になります。
経費区分 | 内容 |
設備・システム | 機械装置、工具器具、設備導入費、システム導入費 |
外部委託 | 委託費、外注費、専門家指導費 |
その他 | 原材料費、不動産賃借料、産業財産権費、販売促進費など |
ただし、次の点には注意が必要です。
市場調査費や販売促進費のみの申請はできない
既存事業の販売促進費は対象外
つまり、事業の実施に直接関係する投資が必要になります。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の採択率は?
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の採択率は、公式には公表されていません。
制度を実施している東京都中小企業振興公社の公開情報でも、応募件数や採択率は発表されていないため、正確な採択率を確認することはできない状況です。
採択率は公式には公表されていませんが、申請サポート会社の中には、制度の難易度について「同価格帯の中小企業庁の補助金より採択率が高い」と紹介している事業者もあります。
この情報が仮に正しいとすると、参考として比較できる制度があります。
制度 | 平均採択率 | 補助額 |
ものづくり補助金 | 約49% | 最大数千万円 |
本助成金(推測) | 50%以上の可能性 | 最大800万円 |
ものづくり補助金は、中小企業庁が実施する代表的な設備投資補助金で、平均採択率は約49%とされています。
そのため、申請サポート会社の見解どおりであれば、事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)は50%を超える採択率になる可能性もあると考えられます。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の公募スケジュールは?
2025年度は合計6回の公募が実施されていることから、2026年度も同様に年6回程度の公募が行われる可能性が高いと考えられます。
前年度の公募スケジュールを見ると、約2か月ごとに申請受付が行われていることが分かります。
そのため、2026年度も同じサイクルで公募が行われる可能性があります。
募集回(予想) | 申請受付期間(予想) |
第1回 | 2026年5月頃 |
第2回 | 2026年7月頃 |
第3回 | 2026年9月頃 |
第4回 | 2026年11月頃 |
第5回 | 2027年1月頃 |
第6回 | 2027年3月頃 |
※正式な日程は、東京都中小企業振興公社の公募開始時に発表されます。
参考として、2025年度は次のスケジュールで公募が行われました。
募集回 | 申請受付期間 |
第1回 | 2025年5月2日~5月14日 |
第2回 | 2025年7月1日~7月14日 |
第3回 | 2025年9月1日~9月12日 |
第4回 | 2025年11月4日~11月14日 |
第5回 | 2026年1月5日~1月14日 |
第6回 | 2026年3月2日~3月13日 |
このように、約2か月ごとに申請受付が行われているのが特徴です。
そのため、申請を検討している場合は、次の公募までに事業計画書や見積書などの準備を進めておくことが重要です。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の申請方法は?
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)は、電子申請システム「Jグランツ」を利用して申請します。
申請後は、書類審査や面接審査、事業の実施、実績報告などの手続きを経て助成金が支払われます。申請から受給までの流れを事前に理解しておくことで、スムーズに申請準備を進めることができます。
申請から受給までの流れ
本助成金の申請から助成金の受給までの主な流れは次の通りです。
1. 申請の提出:デジタル庁の電子申請システム「Jグランツ」を利用して申請します。利用にはGビズID(gBizIDプライム)が必要です。GビズIDの取得には1〜2週間程度かかる場合があるため、早めの準備が重要です。
参考:https://gbiz-id.go.jp/
2. 専門家による審査:申請後は、東京都中小企業振興公社による審査が行われます。まず書類審査が実施され、一定の基準を満たした事業者に対して面接審査が行われます。
3. 交付決定:審査を通過すると「交付決定通知書」がメールで届きます。この通知により、助成対象となる事業が正式に確定します。
4. 助成事業の実施:交付決定後、事業者は計画した事業を実施します。助成対象期間は交付決定日から最大1年間で、その期間内に契約・設備導入・支払いなどを行います。
5. 実績報告と完了検査:事業が完了した後、原則1か月以内に実績報告書を提出します。その後、公社職員による書類確認や現地確認が行われ、助成金の確定額が決定します。
6. 助成金の請求と支払い:確定通知を受け取った後、事業者が助成金請求書を提出します。手続きが完了すると、指定した銀行口座に助成金が振り込まれます。
申請時の注意点
本制度を利用する際は、次の点に注意が必要です。
助成金は後払い(精算払い)方式である
事業者が一度すべての費用を支払う必要がある
交付決定前に契約・発注した経費は助成対象外となる
特に設備投資型の助成金では、事業資金を先に用意する必要があるため、資金計画を立てたうえで申請することが重要です。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)の必要書類は?
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)を申請する際は、申請様式や誓約書などの共通書類に加え、法人または個人事業主の区分に応じた公的書類の提出が必要です。
また、申請する設備や外注費の内容に応じて、見積書やカタログなどの資料も求められます。
全事業者共通で提出する書類
まず、法人・個人事業主を問わず、すべての申請者が提出する基本書類があります。
申請様式(事業計画書など)
誓約書(反社会的勢力排除に関する誓約、助成金申請に関する誓約)
これらの書類は、事業内容や助成対象経費を確認するための重要な資料です。
事業計画書では、既存事業の「深化」または「発展」に該当する取り組みであることを具体的に説明する必要があります。
法人と個人事業主で異なる書類
書類審査を通過した後には、公的証明書や決算関係書類の提出が求められます。
この段階で提出する書類は、法人か個人事業主かによって異なります。
分類 | 法人 | 個人事業主 |
公的証明書 | 履歴事項全部証明書 | 開業届 |
決算関係 | 決算書(損益計算書など) | 所得税確定申告書(第一表) |
これらの書類は、売上減少や赤字などの申請要件を確認するための資料として使用されます。
申請内容に応じて提出する書類
申請する経費の内容によっては、追加書類の提出が必要になります。
特に設備投資や外注費がある場合は、見積書や図面などの資料を提出し、事業内容や費用の妥当性を確認できるようにする必要があります。
書類 | 提出が必要になる条件 | 内容 |
見積書・カタログ | 1契約あたり税抜30万円以上の経費 | 設備やサービスの内容・金額を確認する資料 |
相見積書 | 1契約あたり税抜100万円以上の経費 | 複数業者の見積を比較するための資料 |
図面(設計図・平面図など) | 設備導入や住居兼事務所の場合 | 設備の設置場所や事業スペースを確認する資料 |
例えば、製造機械や厨房機器などを導入する場合は、機器の仕様が分かるカタログや見積書の提出が必要になります。また、100万円以上の設備導入では、相見積もりを取得して費用の妥当性を示す必要があります。
書類提出時の注意点
書類を提出する際は、いくつか注意点があります。
個人事業主が確定申告書を提出する場合、マイナンバー(個人番号)を墨消しする必要があります
納税証明書などの公的書類は、発行から3か月以内などの期限が指定されることがあります
電子申請では、PDFなど指定されたファイル形式で提出する必要があります
必要書類は申請内容によって増減する場合があるため、申請前に最新の公募要領を確認することが重要です。
参考:事業環境変化に対応した経営基盤強化事業 【助成金 募集要項(一般コース)】 (令和7年度第6回)
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の他のコース
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業には、一般コースのほかにも中小企業の状況に応じて利用できる以下2つのコースがあります。
小規模事業者向けアシストコース
賃上げ重点コース
対象条件や補助率が異なるため、事業規模や経営状況によってはこちらのコースの方が活用しやすい場合があります。
小規模事業者向けアシストコース
小規模事業者向けアシストコースは、売上減少や赤字などの影響を受けている小規模事業者の設備投資を支援する助成制度です。
設備やシステム導入など、生産性向上につながる投資を後押しすることを目的としています。
対象となる事業者は、東京都内の中小企業・小規模事業者で、次のいずれかに該当する必要があります。
直近決算期の売上高が、2023年以降のいずれかの決算期と比較して減少している
直近決算期で損失(赤字)を計上している
対象となる経費は、主に次の設備投資です。
機械装置・工具器具費
設備導入費
システム導入費
助成内容は次の通りです。
項目 | 内容 |
助成上限額 | 200万円 |
助成率 | 3/4以内(金引上げ計画を実施する場合は4/5以内) |
助成対象期間は交付決定日から1年間です。
比較的少額の設備投資でも利用できるため、ITツール導入や機械更新などの投資を検討している小規模事業者に適した制度といえます。
賃上げ重点コース
賃上げ重点コースは、従業員の賃金引き上げを行う企業の設備投資や生産性向上の取り組みを支援する制度です。
物価上昇や人材確保への対応として、賃上げを行う企業の経営基盤強化を後押しする目的があります。
賃上げを伴う設備投資や業務改善の取り組みが対象となり、一般コースよりも高い補助率が設定されている点が特徴です。
項目 | 内容 |
助成上限額 | 最大800万円 |
助成率 | 3/4以内 |
例えば、従業員の賃金を引き上げながら設備投資を行う企業の場合、通常の助成制度より高い補助率で支援を受けられる可能性があります。
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補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
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